不動産業者と土地家屋調査士の視点
- 「朝比奈さん、このブロック塀は私が直さないといけないの?
- お隣さんに何度も注意してたのに、放置してるから地滑りを起こしたんですよ
- それをまたうちが費用負担するっておかしいですよね!」
- 「先生、ブロック塀がずり落ちて境界標が動いてしまったことは理解できますが、境界標を復元するために設置し直したら、うちのブロック塀が越境している事になるんじゃないですか?
- あとで越境してるから、ブロック塀を作り直して下さい。って言われるのは我慢できません!」
同じ場所での話です。不動産業者としては境界も大事ですが、越境物の処置をしておかないと、いずれ紛争に発展することが懸念されるから、即時に解決したいと思います。
- でも、土地家屋調査士としては境界については理解していて境界点の位置も納得されているから問題ないと片付けてしまうこともできます。
- 境界標を正規の場所に復元して、境界確認書を取り交わして終了。では、そこで生活している所有者にとっては何の解決にもならない話です。
- いまこの時に一緒に解決しておきたい筈です。
先生と呼ばれる土地家屋調査士は、職務は完了しました。〇〇さんの不動産業者は問題が表面化したことで仲裁に入って越境問題を解決してくれと頼まれる。隣地との紛争に発展したら、弁護士に相談して、調停、裁判までやる羽目になる。
何ともスッキリしない話です。こんな話は、至る所で起きていることです。先生だから偉い、〇〇さんだからお願いしやすい。先生に頼むとお金が掛かる。〇〇さんならとりあえずは対応してくれるだろう。
士業の仕事は、作業代だから結果を問わず費用の支払いが必要。でも、不動産業者は、成功報酬だから解決しなかったら支払いません!
こんな考え方が一般的だと思ったら大間違い。報酬のない仕事に責任を持て!とはあまりにも身勝手な話です。
きちんと払うものは払って、責任を持たせた方が、結局、安く早く解決する事になります。
不動産業者も土地家屋調査士も専門職で、どちらもプロです
- 先日、神奈川県から電話がありました。新築住宅を最後に転売してから10年になります。
住宅瑕疵担保履行法に基づく保険契約の確認でした。一旦、届出の義務が終了するそうです。
不動産の仕入れ販売から、不動産調査、コンサルを経て業務の中心を土地家屋調査士にシフトし始めた頃です。
新築住宅の販売に勢いがなくなってきたので業務内容の変化を求めてました。
隣接土地所有者との境界立会業務を好まない人が多いこと。そして、近隣交渉の経験を活かせるからとの理由で、土地家屋調査士という資格を勧められました。
すぐに調べて専門学校に申し込み、高校・大学受験の時よりも勉強に専念しました。
あれからもう10年、懐かしい思い出です。
今日は役所と道路の境界検査。いまも土地家屋調査士を続けることができてます。途中体を壊し、現場を離れた時期もありました。
回復してからは専門学校の同期に助けられながらいまに至ってます。
年を重ねると経験からの知恵もつき、何より続けることで信用も積み重なっていきます。
どんな仕事もそうですが
ズルをしない
嘘をつかない
地道にコツコツ
そんなことも早く一人前になる方法の一つかもしれません。
まずは当事者の話をよく聴くことから始めたいですね。
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