不動産をより高く売る13のチェックリスト(土地建物編)

売買
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誰でも高く売れることを希望されると思います。時間をかけてじっくりと待っていれば高く売れると言ったことはありません。幅のある相場価格の中で物件をお探しの方に気に入ってもらうことが大切です。多くの購入希望者は不動産のプロではないため、見た目と客観的な事実で購入を決めます。

購入希望者が即決できるようにすることが高く売るコツになります。その為に金額の分からない不安要素を無くして、見た目も新築マンションのモデルルームとまではいかないまでも綺麗に飾っておいた方が良いと思います。

不動産の売却で損をしないための確認事項

見た目を良くする 基本

販売の基本です。どんな商品も汚れていたら購入意欲も無くなってしまいます。業者に依頼しなくてもできることは多少面倒なことでも自分でやるように努力しましょう。

1 大掃除をする

年末の大掃除や賃貸住宅を引っ越す時に行う掃除のように徹底的に綺麗にして下さい。換気扇の油汚れ、バスルームの黒カビも落とすくらい頑張って下さい。

ペットを飼われている方は、床のベタつきや臭いもできる限り取り除いて下さい。

もともと空き家だったり、先に引っ越す場合には、5万円くらいのハウスクリーニングを業者に依頼することもご検討下さい。

2 簡易なホームステージング

目の錯覚ですが、何もない空間やモノがあり過ぎる部屋は小さく狭く感じてしまいます。例えば、6畳あればベットと机を置いても子供部屋には十分な広さですが、モノを入れる前の部屋は小さく感じてしまいます。また、天井の高いリビングなどでは、ある程度の高さのあるダイニングテーブルを置いた方が高さや奥行きを感じ、より一層広く大きく感じるものです。見慣れた大きさの比較対象できるものがあることで、空間全体の大きさを認識できるからです。

ほかでは、100m2(30坪)の土地はそれなりの大きさの一戸建を建築してもカーポートと小さな庭も確保できますが、何もない更地の時には、『こんなに狭いの?!』って驚かれるものです。

玄関の靴はきちんと仕舞ってスッキリとさせて、リビングに花を飾っておくだけでとても素敵な空間を演出できます。

3 庭とカーポートを綺麗にする

庭が雑草だらけで荒れていることは論外です。ましてや高木まじりでジャングルのようになっているようでしたら廃屋のようなイメージになっているかもしれませんので思い切って切り倒してしまいましょう。

そしてカーポートもコンクリート仕上げでできているなら高圧洗浄するだけで見違えるようになります。

4 エクステリアを整える

カーポートのシャッターや、外溝のブロックやフェンスが錆びて折り曲っていたり壊れている箇所がありましたらそのままにして置かずに取り払ってしまった方が良いでしょう。

何もないオープン外構ならではの明るい開放的な印象に変えることもできます。

不確定要素を無くす 標準

次に挙げた要素は、不動産業者でも正確に費用を見積もることが難しく実際の費用よりも余裕を持って高く見積ってしまうことが多い項目です。購入希望者にとっては、購入後に必要な費用として予算を確保しておく事になるので、安く購入したくなります。

実際にかかる費用と予想される費用ではどうしても予想される費用の方が高くなることが多いので、その分、必要以上に価格相談の幅が大きくなってしまいます。

それならば、売主の方で行っておくことで購入希望者も安心して購入できるようになり、売主も必要以上に価格を下げることがなくなります。

5 境界確定測量

目的は二つの理由から。一つは、売買対象不動産の土地の面積を正確に把握すること。もう一つは、隣接地との境界トラブルの防止。

登記記録はあるけど過去に測量した形跡もなく地積測量図がない土地。登記制度ができたときその目的が課税対象地の面積の把握だったため、少しでも面積が小さい方が税金も少なく済みました。そのため当時の登記記録の面積は実際の面積よりも小さく記録されていることが多い。現在の測量は機械の精度も良くなり正確に土地の面積を測ることができるようになりました。

正確に測量された土地の面積が増えることで、売買価格の総額も増えて、結果的に高く売れる事になります。

もう一つの理由の境界トラブルの防止。これは、隣地との境界線が不確定なために発生するトラブルを未然に防ぐという意味が強いです。法務局や役所の資産税課などに保管されている古い資料をもとにそもそもの境界を復元し、当事者同士が現地で立会確認した上で境界標を設置して、その結果の図面(地積測量図)も法務局にデータ登録されて保管されるので、いま現在だけでなく未来においてもトラブル防止の資料となります。

6 セットバック(私道負担)

不動産はその立地に最適な活用方法があります。最適に利用するための建物を建築することでより経済効果も発揮される事になります。

駅の近くには商業施設や役所などの公共性の高い建物が建築されます。少し離れた静かな郊外には高級住宅地が形成され、学校や病院などがその近くに建てられてきました。

日本では建物を建築するためには、建築基準法に従う必要があります。その中の一つに接道義務というものがあり、これは建物を建築するためには、建築基準法で認められた4m以上の幅員の道路に2m以上接していることです。もし対象土地の接している建築基準法上の道路が、4mに満たない場合には、前面道路の中心から2m後退した部分を道路部分として提供することで建築できるようになるというルールです。

この道路として提供する部分をセットバック(私道負担)と言います。このセットバック部分は、道路として扱われるため、建物の敷地面積として算入することが出来なくなります。建物建築のための敷地として使えない土地になりますので、宅地部分と道路提供部分とを正確に線引きして分ける必要があります。

買主は、建物の敷地として使える宅地部分の正確な形状と面積がわかることで初めて正確な建築計画が作れる事になります。

7 簡易なリフォーム

雨漏り・シロアリ・傾きなどの欠陥がある建物をそのまま現況有志で購入する買主は珍しいと思います。先の3大欠陥は、修繕費用にいくらかかるか見積ることが難しいからです。極端な話、解体費用もアスベストの問題などがあり、無料でも要らないという人も多いことでしょう。

売ることも無料で譲ることもできないまま放置しておいても税金などの維持管理費は発生し続けます。

一つずつ欠陥の修復をする覚悟を決めて取り組んでみてはいかがでしょうか?相談に乗ってくれる人や協力してくれる業者も必ず見つけることが出来ます。

8 残置物撤去

これも撤去方法によって、見積り金額がピンキリです。時間も手間も掛けたくなければ、全部混ぜこぜのままトラックに積んで持っていってもらうことも出来る。楽だけに費用も高くなります。

時間も手間もかけられるのでしたら、使えるものと使えないものに仕分けして自分で売れるものは売ったりリサイクルショップに持っていったり、少しずつ粗大ゴミとして処分する方法もあります。

ただしそのままにしておいて全てを購入希望者側で処分してもらおうとすると、100万円以上の指値があると思います。

9 インスペクション(建物調査)

2018年4月の宅地建物取引業法の改正でインスペクションの説明が義務化されたもので、まだまだ馴染みのない言葉かもしれません。一言で言うと建築士によるプロの目で建物の状態検査をすることです。

欧米のような中古住宅がメインの市場と異なり、日本ではまだまだ新築市場が圧倒的に人気があるために普及し難いのかも知れませんが、中古住宅の大きな欠陥に気付かずに売買してしまい後で大きなトラブルになるようなことを防ぐことが出来ます。

簡易なリフォームのところで触れた欠陥(雨漏り・シロアリ・傾き)は知らなかったで済むことではないため未然に防ぐために利用される方も増えてきました。そんなに高額な費用がかかるものではないので、後で賠償責任のために高額な費用負担を追わないようにするための安心料としてお考えください。

不安材料を解消する 特殊

次は少し特殊なケースになります。不動産取引における重要事項説明書をしっかりと調査した上で作成されたものであれば、そんなに心配することではありません。しかしながら、相続で受け取った不動産で遠方の空き家にしたままのものなど現在の状態などわからないことが多い不動産では注意が必要です。不動産業者などの信頼できるプロに徹底した調査をしてもらうようにして下さい。

10 埋設管調査

当該売却物件の建物への引き込み状況だけでなく、可能であれば当該売却物件の敷地内に第三者のための埋設管が設置されていないことも確認して下さい。雨水・汚水・雑排水については、下水道台帳や浄化槽の有無、集水枡やマンホールの蓋を開けることで確認できますが、上水道管が特に注意が必要です。

新しく水道管を引き込む際、本管のある公衆用道路から公道を通って引き込むと距離が長く工事費が高くなるからと隣地の承諾なく勝手に敷設されている現場を多数見てきました。

当該地で建て替え工事をしたら水道管を破裂してしまい発覚したケース、突然敷地の一部から水が流れ出して水道局が無断で敷地内に入ってきたケース、隣地の方に水道管のある部分の所有権を主張されて紛争に発展したケースなど。どのケースも昔のことで経緯の詳細がわからないために近隣トラブルに発展しているうえに、解決の目処も立っていない状況です。

水は生きるために必要な物で、埋設管を強制的に即時撤去させることが難しいため解決することも難しく関係性も悪くなりトラブルも長く続いてしまうことが多いようです。

もし発見したら、トラブルになる前に覚書を取り交わすなど友好的に解決してしまうことをお勧めします。

11 通行・掘削承諾

これは接道している道路が私道の場合になりますが、公道と異なり、私道は特定の所有者の私有地です。私有地である以上、所有権を有しない第三者が勝手に無条件に使って良いと言うことではありません。私道の所有権者と衝突して「お前には使わせない!使いたかったら金払え!」とならないようにするためにも、通行(車両を含む)と上下水道の埋設間設置・保守整備のための掘削の承諾を書面でもらうようにして下さい。

12 地中埋設物

以前は浄化槽だった土地が、前面道路に下水道の本管工事がされてそこへ繋いで放流されるようになったが、『浄化槽は取り除くことはしないでそのまま埋め殺しの状態になっている』というように、何がどこにあるかわかっているのでしたら、契約前にその撤去費用について取り決めることができるので何ら問題はありません。

このように先祖代々からの土地なら、その土地の地歴も分かりますが、何代か前に購入して移り住んできた場合など昔の状態がわからない時に注意して下さい。

地中埋設物に関しては売主は免責とする契約が一番の理想ですが、リスク負担を売主買主どちらが負うかによって売買代金も変わってきます。一般的には浄化槽以外の地中埋設物が出た場合には、その撤去費用は売主負担とし、売買契約金額を買主に頑張ってもらいできるだけ高く設定するようになります。

13 近隣・生活情報

ハザードマップや役所の公開情報だけでは分からないことが多くあります。自治会や隣近所の方に直接ヒアリングすることが大切です。売主自身が住んで生活していた物件でしたら、お隣さんのことから自治会のことまで嘘偽りなく情報提供できますが、相続で取得した親の実家の近隣情報など全く分からないと思います。

少しでも高く売ることが目的なのですから、売却後のクレームも無くすことです。買主のために少しでも多くの事実を提供することが一番だと思います。そのためには、自分自身で現地に赴き、ご挨拶と情報収集をすることが大事です。その時は売却を依頼する不動産業者も一緒に同行してもらうことをお勧めします。

まとめ

以上のことを全部完璧に行うことができればいいのですが、費用を掛け過ぎてしまっては回収できずに返って支出が増えて手取りが減ってしまうという本末転倒の事態になることもあり得ます。何事もほどほどに、判断に迷ったら不動産業者や税理士、司法書士、土地家屋調査士などの専門家にどんどん相談するようにして下さい。

それでは、少しでも高く安心したお取り引きができることを願っております。

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