建築できない土地、一敷地一建物とは

不動産
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都心から少し離れた郊外へ行くと地主さんのお屋敷を見かけることが多くあります。どこからどこまでが所有地か分からない広い土地に、家や離れやアパートが建っています。

現地の状況は、車路のような道が母家の玄関まで続いています。その通路のような道幅は4m程あり、両側にはアパートが建っていたりします。アパートは公衆用道路に面して建てられていることがよくあります。

現実的にはどの建物にも自由に出入りできる通路(車も通行出来る幅もある)があり、生活することに何ら支障はありません。

母屋の裏に資材置き場として使っているスペースがあるからそこに息子達夫婦の家を建築しようとしました。アパートを建ててもらったハウスメーカーに相談したところ、

「建築できませんよ!」

一敷地一建物の原則

ハウスメーカーの営業や設計事務所からこのままでは建築できないと言われて、諦めた経験のある方もいらっしゃるかと思います。多くの場合、その根拠は建築基準法から来ています。

一つの敷地に一つの建物

同一の敷地に二つの建物は建てられません、という決まり事から調査をしないで建築できない!と思い込んでしまっていることが多々あります。この思い込みですが、不動産登記法と建築基準法を区別できないことが原因です。

『一筆の土地 = 一つの敷地』誤って解釈している方がいます。

一つの敷地

土地の大きさ、形と場所を特定するときに、公図の地番を使います(別の記事、「公図の見方」参照)。

一筆の土地とは、法務局にある公図上で一筆書きで括られて特定の番号が付されたエリアのことです。複数筆の所有者が一筆の広い土地を2個の建物の敷地とすることは問題ありません。また数筆の土地を建物の敷地とすることができます。

黒線は公図線、黒数字は土地の地番(一地番=一筆)、緑線は建物、赤線と赤文字は一つの敷地青線の建物を新しく建てることが出来る

既に建物の敷地として使われている土地(地番)でも、実際に建物が建っていない部分については新しく建てる建物の敷地とすることができます。

ただし、既存の建物が違法建築物にならないように調査・測量することは大切です。土地の面積について公図と現地が大きく異なることはよくあります。

建築確認申請時の建物敷地図は、不動産登記法の分筆までは必要ありません。

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