「隣人の依頼だから隣人に有利なんでしょ!」と思い込んでる人は多い

境界確定・測量

概して定年退職後のご年配に多い傾向があります。事前にご挨拶に伺い、書面で業務のご案内をして、直接ご依頼者ご本人からもご挨拶に行ってもらい。そして現地調査当日の朝、これから作業させていただきますとお伝えに伺ったら、、、

「なんで俺が協力しなければならないんだ!俺の予定を無視しやがって。立ち会ってやるが、絶対に境界標は入れさせない!!!」

稀にいらっしゃいます。。。

癇癪厳禁

測量の目的は一つではありません。

  • 売却予定
  • 正確な面積を知りたい
  • 私道部分の免税
  • 建物の建築
  • 隣地との境界線の確認 など

隣地との境界を確認するためには、隣地の所有者との立会確認は必須になります。ですが、場合によっては立会省略できることもあります。

基本的にはどのような場合でも隣地との立会をしておいた方が好ましいことには変わりません。しかしながら、立会までの過程を間違えて境界トラブルに発展してしまっているケースも少なからずあります。境界トラブルは心的原因で起きていることがほとんどです。心理的な要因を解決することはとても難しく時間も掛かります。それこそ「俺の目の黒いうちは…」なんてことになると何代も解決できずに双方の土地が利用できない死に地になってしまうことも珍しくありません。そこまで拗れてしまうと、もう、裁判で解決するしか選択肢がなくなってしまいます。

争ったところで得られるものなんて微々たるものです。

全ての人が誠実で倫理観を持ち合わせた紳士淑女だといいのですが、確かに存在します。変わった方。触らぬ神に祟りなし。諦めてしまうことも大切です。裁判は最後の手段です。話し合いで解決するようとことん粘り強く努力してください。癇癪厳禁!忍耐強く頑張ってみることです。

弁護士ではなく土地家屋調査士に相談

『トラブル=弁護士』と考えていらっしゃる方は多いと思います。実際、電話相談もこれに類するものが圧倒的に多いです。

境界標が紛失していて隣地境界が分からずに揉めてしまい、いまも双方弁護士を通して争っています。ですが、もう半年も経つのに一向に解決しそうな感じもなくダラダラと時間だけが経過してます。

そして、いまだに現地での確認や説明が行われたこともありません。弁護士って現地確認はしないのですね!

実際にあった電話相談

私もいつも不思議に思いますが、双方の言い分を現地確認することなくどうやって和解に持ち込むんだろう?

先ずは先入観なく現地調査・測量をして現場を把握しないことには、境界の話なんてできないと思うのですが…多くの相談者さんも同じ考えです。現地を見ることもなく過去の資料をもとに机上の推測話だけで隣地境界が分かることはありません。

弁護士に依頼するなと言っているわけではありません。弁護士を代理人にして交渉するということは、相手に対して、法定で争うことも覚悟しています!と宣言しているように感じ、相手方を構えさせてしまうことになります。いよいよどうやっても歩み寄ることが出来ないとなったら、最後の手段として弁護士を立てて争うことも仕方のないことだと思います。

その前に出来ることはいくらでもあると思います。問題解決のためには関係者が現状を認識することが最優先課題だと思います。そのためには土地家屋調査士に相談することがはじめの一歩になります。そのときに相手の依頼した土地家屋調査士だから自分に不利になると思うのでしたら、自分で土地家屋調査士を探すのでも良いし、相手と相談して土地家屋調査士を共同で依頼すれば良いだけの話です。

誰が依頼者であっても、土地家屋調査士の業務は中立の立場でしか行うことはできません。土地の境界、特に創設筆界(一番初めの土地の境界線)は動かない!だから境界確定は、境界線に接している所有者全員が立ち会って合意した点を境界として確定しているのではなく、もとから決まっていた境界を復元した点を立会確認しているだけの作業となります。さらに付け加えると、不動産登記をするときには、法務局のチェックが入りますので、意図的に境界をどちらかに有利になるように決めることは不可能です。

その点はご安心ください。

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