震災復興図と戦災復興図

境界確定・測量
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土地の面積を知りたい

売却や相続のときに限らず、所有する土地の面積が気になるのは当然のことだと思います。税金の対象になっている面積はどれくらいあるのだろうか?売却するとしたら何㎡あるのだろうか?境界確定しているのか?道路など市区町村や国との境界は決まっているのか?

様々な理由から土地の広さに関心を持つことはあると思います。土地の広さに関する情報は、ほぼ公開されています。単に数値だけが記載されている登記簿や固定資産税課税台帳、固定資産税・都市計画税の納税通知書。形状だけで隣接関係は分かるけれど数字の記載の無い公図。そして、境界の種類から形状、長さが記載され、一筆ごとの面積まで記されている地積測量図。

目的によって調査する資料や図面も異なってきます。ここでは、一般的に調査されやすい資料(図面)と東京都で境界確定測量を行う場合に重宝される震災・戦災復興図をご紹介します。

土地に関する資料(図面)

登記簿謄本(登記事項証明書)

登記記録の内容が記載された書類。法務局で取得できます。また、登記情報提供サービスを利用してパソコンやスマホで登記情報を確認することもできます。

固定資産税・都市計画税納税通知書

固定資産税・都市計画税は、土地や建物の1月1日付の登記簿上の所有者にかかる地方税。毎年5月か6月頃に市区町村から納付書が送られてきます。この納付書とともに登記記録の情報などが記載された課税明細書が同封されてきます。この納付書と課税明細書を納税通知書と呼んでいます。

評価証明書(固定資産課税台帳登録事項証明書)

土地や建物の評価額を証明し記載された書類。固定資産税の評価額の他に、所有者・所在地・土地の地積・地目・持分、建物の家屋番号・床面積・構造・規模・種類などや課税標準額が記載されています。市区町村役場の資産税課や東京都内各区の都税事務所で取得できます(本人以外は委任状が必要)。

公図(旧土地台帳附属地図)

土地の位置・形状・隣接状況を確認できます。幅員や長さ・広さなど数値の記載はなく土地の面積の目安には向かない。法務局や登記情報提供サービスで取得できます。

地積測量図

土地の位置・形状・隣接状況の精度が高く、境界標の種類や長さ・面積計算まで記載されている。現地を復元する際の根拠となるとされている図面。登記簿や公図同様、法務局や登記情報提供サービスで取得できます。ただし、全ての土地について存在するものではないので注意が必要。

道路(公園)境界確定図

地積測量図同様、精度が高く境界復元性が高いとされる図面。全ての公共用地(道路・公園など)について実施済みではなく、図面の無い場所も多い。市区町村役場の道路管理課や公園センターなど、役所の担当部署で入手できる。

土地区画整理換地確定図

土地区画整理事業が行われた場所の図面。地積測量図や道路境界確定図のように復元性が高い。都道府県・市区町村など行政主動で行われた土地区画整理事業の資料は入手できる可能性が高いが、民間主動で行われた土地区画整理事業の書類は、事業が完了すると事業組合も解散してしまうため、図面を入手することが困難になるケースが多い。

震災復興図・戦災復興図

大正12年、関東大震災後の復興事業として行われた土地区画整理事業の図面が震災復興図。第2次世界大戦後の東京の戦災を受けた都市の復興事業として行われた土地区画整理事業の図面が戦災復興図。一筆ごとの土地の寸法や道路幅員が記載されていて、復元性が高いとされている図面。

東京都建設局の担当建設事務所で入手できます。23区全てで行われた事業ではない。事業が行われた地区は東京都建設局のホームページで確認してください。

震災戦災震災戦災
千代田区豊島区
中央区板橋区
港区北区
台東区荒川区
墨田区杉並区
文京区足立区
江東区江戸川区
新宿区目黒区
渋谷区世田谷区
品川区中野区
大田区練馬区
葛飾区
震災・戦災復興土地区画整理換地確定図

調査してみる

土地の測量は難しい!と思っている方が多いと思います。専門用語にカタカナ言葉で幾何学的な説明をされたら私にもわかりません。ですが、三角形の面積計算は小学校の算数の時間で勉強したことです。

【底辺×高さ÷2】

これならわかるかもしれない。そんな気がしませんか?測量資料の面積計算の基本は、この三角形の公式です。

ご両親、祖父母が土地をお持ちなら、いつかその土地の売買や相続に関係することになるでしょう。その時になって何も分からないから測量士や土地家屋調査士に丸投げする。おそらくこれが一番現実的で一番多いケースだと思います。

土地の面積が変わることはありません

これが基本ですが、境界確定測量では隣接土地所有者との立会確認が必要です。お隣との境界標がなくなってしまっていたら、あるいは動いてしまっていたら…

実際に測量を依頼したら土地が小さくなった!この原因は動いてしまった境界標を正しく復元して確認しなかったことかもしれません。無くなってしまっていた境界を復元しようとしたら、隣地の土地所有者にこの場所だと指示され、どんなに説明しても、その指示した場所よりも隣地が狭くなる点では認めない!と強硬に主張してきたとしたら…

境界確定測量に妥協はありません

その土地は未来の自分の財産かもしれません。ご自身で資料集めをしてみると気が付くことがたくさんあるものです。それにその土地に関係する歴史が分かるかもしれません。もし、お時間に余裕が出来ましたら、有事の前に資料集めだけでもしてみることをお勧めします。

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