建物の状況調査と土地家屋調査士は無関係?!

境界確定・測量
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不動産を高く売るためのインスペクション建物調査

不動産を購入しようと思った時、安全性は気になります。特に住宅の場合、雨漏りや傾き・シロアリや床の腐敗は確認したいもの。でも、パッと見ただけで素人が判断できるものではありません。

そんな不安を少しでも解消したくてできた制度が、建物状況調査。不動産や建築業界の人は「インスペクション」なんて言ったりしてます。専門家に調査してもらって安心したいと誰でも思います。

既存住宅状況調査(インスペクション)

国土交通省のホームページより建物状況調査とは?PDFをご参照ください。

既存住宅状況調査は既存住宅状況調査技術者講習を終了した建築士が行なうこと。と定められています。講習について参考になるサイトを2つご紹介しておきます。

一般社団法人住宅瑕疵担保責任保証協会より『状況調査とは?』

公益社団法人日本建築士会連合会より『既存住宅状況調査技術者講習のご案内』

土地家屋調査士との関係

名前は似ていますが、業務内容が全く異なります。土地家屋調査士という資格名だけを聞くと誰でも誤解してしまいます。私も土地家屋調査士の一人ですが、この既存住宅状況調査をすることはできません。事務所にはよく電話の問い合わせがあります。

「あなたの事務所の近くで家を買おうと思ってるんですが、建物が大丈夫か見てもらいたいのですが、お幾らぐらいかかりますか?」

とか、

「土地を購入したので家の建て替えを検討しているのですが、裏の土地との間が大きな擁壁でその上に家が建っています。この土留めの擁壁って安全なんでしょうか?」

というような問合せです。お気持ちは十分理解できるので、土地家屋調査士の業務内容とインスペクション業者の検索方法をお伝えして、丁重にお断りさせていただいてます。

インスペクション業者の検索方法

【建物状況調査】、【建物現況調査】と検索すると民間の業者がたくさん見つかるので、数社にお電話でご相談してみてください。とお伝えしています。

調査内容、価格ともにピンキリなので、直接お話されてからご依頼されることをお勧めします。

そして、建物と土地の検査方法は全く異なりますので、建物専門なのか、土地の地盤調査や擁壁などの工作物についても調査できるのかを必ず確認してください。

この物件と土地と建物を一緒にするのではなく、建物と土地は別物として調査するようにします。

自分でできる土地と建物の安心のための調査

建築後何十年も経過している建物をリフォームして使う場合などは、現況調査を実施して安全性を確認した方が安心できます。まだ新しく、お金をかけてまでの調査は必要ないと思われる場合でも、役所の書類調査はしておきましょう。

建物

建築確認済証と検査済証の有無を確認する。建築基準法の安全基準に適合する建築計画でその計画通りに建築されたものであることが証明されたことになります。役所などの第三者によって現地での検査・確認に合格した証なので、信頼することができます。

1981年5月31日までの建築確認申請は、旧耐震。1981年6月1日以降の建築確認申請を受けたものは、新耐震と呼ばれます。この時を境に建築基準法の耐震基準が変更されました。

旧耐震は、震度5程度の中規模の地震で大きな損傷を受けないこと。新耐震では、中規模の地震では軽微なひび割れ程度の損傷で、震度6程度の大規模な地震で建物の倒壊や損傷を受けないこと。という基準に変更されました。

土地の擁壁

土地の擁壁は建物の基礎の一部として建築基準法の基準によるもの。開発許可や宅地造成規制法などの基準によるものや工作物申請で造られたものなどがあります。いずれにしても法律の基準に適したものかどうかは役所で確認することができますので、現地の写真と現地案内図を持参して役所で聞いてみるようにしてください。

土地家屋調査士法の目的

条文(目的)

この法律は土地家屋調査士の制度を定め、その業務の適正を図ることにより、不動産の表示に関する登記手続の円滑な実施に資し、もって不動産に係る国民の権利の明確化に寄与することを目的とする。

不動産登記法の目的

この法律は、不動産の表示及び不動産に関する権利を公示するための登記に関する制度について定めることにより、国民の権利の保全を図り、もって取引の安全と円滑に資することを目的とする。

まとめ

土地家屋調査士は、不動産登記のための調査測量が目的といえる。物理的な安全というよりも権利の安全を目的とした調査測量を業務としていることが、既存住宅の状況調査や建築確認申請や完了検査と異なる。

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