差押の登記を放置したら全てを失いました

不動産

約束は守らないといけません。特に金銭トラブルは厄介な問題です。不動産を担保に借りた住宅ローン、不動産を所有してることによる固定資産税、相続が起きたことによる相続税の納税。原因は異なっても、決められた通りに返済しなくてはならない負債。

今月は苦しいからこれしか返すことができません

  • こんな甘えが許されない約束事。
  • 返済期日の遅れ
  • 返済額の不足
  • 返済不可能(滞納)
  • 全部、契約違反(債務不履行)です。

このまま放置して時間が経ってしまうと契約違反のペナルティで借金だけが大きくなって解決できなくなります。その結果、家も財産も、信用さえも全て失ってしまうことになります。そうならないためには早めに行動するしかありません。利息や損害金は時間の経過とともに雪だるま式に増えてしまうので素早い行動が必要です。

不動産に関しては、公売と競売の違い、そして差押えの登記についての知識があれば、どのように対処すれば良いか考えることができると思います。

頭で分かっても実際に行動しなければ、結局全てを失うことになりますので必ずできることから直ぐに行動してください。

言葉の定義

差押え

お金を支払うことができないのなら、この不動産を売却してお金を回収させていただきます。という債権者の意思表示。該当不動産の登記記録の権利部分に「差押」の登記がされます。差押の登記があるままでは、所有者の意思で自由に売却したり貸すことが困難になります。

債権者

お金を受け取る権利のあるもの。銀行から住宅ローンの契約でお金を借りた場合は、契約書通りにお金の返済義務が借りた側にあります。返済金を受け取る権利があるのは銀行なので、この場合の債権者は、銀行のこと。金銭消費貸借契約書に基づいてお金の貸し借りが発生するので、主に民間の金融機関が債権者になります。

固定資産税や相続税などの税金を滞納している場合には、税金を受け取る国や市区町村などの行政機関が債権者になります。

債権とは、お金を受け取る権利。

債務者

お金を返済しなければならない人(法人・個人)。民間の金銭消費貸借契約に基づいてお金を借りた場合は、借主が債務者で、貸主は債権者になります。

各種税金の滞納の場合は、税金を納める義務のある滞納者が債務者で、国や市区町村が債権者になります。

債務とは、お金を支払う義務。

公売

税金の滞納が原因。国や市区町村など行政が行う入札形式の債権回収のこと。

競売

契約違反が原因。民間の金融機関が金銭消費貸借契約書通りに貸したお金が返済されなくなった場合に行う債権回収のこと。裁判所に申請して入札形式で不動産を売却してもらい、売却代金からお金を回収する手続き。

任意売却(任売)

債務者の意思で自由に行う不動産の売却。債権者からの申請で差押の登記がされた後は、債権者の承諾が必要になる。

公売と競売

公売は税金の滞納、競売は借金返済の契約違反が原因ですが、たった1回支払いが遅れたから直ぐに「売って払え」ということにはなりません。債務者からの相談を無下に断ることもしません。支払いや返済が苦しい場合には直ぐに事情を説明して相談すれば、返済計画の変更など債権者も一緒になって考えてくれます。それを債務者が債権者に相談も連絡もなく勝手に滞納したり返済しないことを繰り返すから信用することができなくなり、

あなたのことはもう信用できません。だからあなたの不動産を売却して強制回収させていただきます!

となっただけです。

そして、借りたお金は1000万円なのに、なんで1500万円も返済しなければならないんだ!と騒ぎ立てて逆ぎれする人を見かけますが、何年もの間、不義理をしておいて、債権者からしたらまともに回収できる見込みがなくなったから、仕方なく公売や競売の手続きを始めただけかもしれません。

  • 税金の滞納による公売が決定されるまでの間の延滞税の上限は、14.6%
  • ローン契約の遅延損害金は、上限20%です。

一年でこんなに高い利息が課されます。たった3年遅れただけじゃないかなんて通用しません。失った時間を取り戻すこともできませんし、過去に戻ることもできません。

ご自身の生活環境の変化で支払いが難しくなりそうだと判断したら、雪だるま式に増え続ける負債で破産する前に、直ぐに債権者に相談してください。

任売と差押え

入札では、債権者が全額債権回収ができる保証はありません。そして、債務者にしても担保の不動産が処分されてしまった後で、残債を返せと言われてもお金を工面する方法がありません。さらに競売では強制退去させられるかもしれませんし、公売では不法占拠者になってしまいます。

出て行きたくても引越し資金すらありません。

現実的な話です。

公売や競売は、債権者も債務者も双方にとってあまり納得できる結果にはなりません。債権者にとっては本当に最後の手段でしかありません。

ここでいう任意売却とは、債務者が自ら不動産業者や弁護士の協力を得て、不動産の買主を探してきて、債権者にとって競売や公売よりも有利な条件を提示することで、競売や公売を取り下げてもらい、かつ差押の登記を抹消して、債務者が見つけてきた不動産の買主に売却してその売却代金から債権者への負債を返済する方法です。

任意売却のメリットは、債権者にとっては回収できる金額が増えるであろうこと。債務者にとっては売却後の引き渡し条件などを買主と相談できることです。

そして、一点、特に確認が必要な大事なことですが、競売や公売から任意売却へ変更できる権限は、債権者だけにあるということです。

差押の登記を抹消するためには、債権者からの申請が必要です。競売の取り下げをすることができるのも債権者だけです。

まれに、弁護士に依頼すれば大丈夫だと思い込んでいる方や裁判所に直接出かけて行かれる方がいらっしゃいますが、弁護士も裁判所も債権者の依頼無く、競売を取り下げることや差押の登記を抹消することはできませんので注意してください。

債務者がお願いする相手は、弁護士でも裁判所でもなく、債権者だということをよく理解してください。

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