『相続対策としての終活』の大事な目的のひとつが不動産を手放せる準備をしておくことです

相続

田舎や電車の最寄り駅が近くにない戸建がご実家で、ご両親のもとを離れて首都圏にお住いの方にお考えになっていただきたい大事なことです。特に駅近のマンションを購入し、生活の拠点としている方にはご両親がお元気なうちにご家族皆様でご相談しておいてほしいと思います。

ますます増え続ける空き家問題

将来はご実家に戻られる方には、あまり関係のない話です。ですが、子育ても終わり子供が独立したら利便性重視で生活している現在の住まいからご実家に移ろうと考えていらっしゃる方は注意が必要です。

いまの便利な環境を変えられますか?

現在のお住まいが賃貸でも持ち家だとしても、いまの便利さが当たり前の生活になっています。ご実家に移るということは、多少なりとも不便で維持管理も面倒になると思われます。仕事も変えなければならない方もいらっしゃるかもしれません。それでも大きくゆとりのある場所で、のんびりと余生を楽しみたいという方には余計な話だと思います。

供給過多で売れない現状

一旦空き家になってしまうと、現地の荒廃化を防ぐために建物の換気や雑草除去など維持管理が必要になります。これは田舎だけの問題ではなく首都圏でも同じことです。最寄り駅が同じ親子でさえ、駅近のマンションからバス便の実家の管理に来ることが面倒になり、1年も経たないうちに荒れ果てハクビシンやネズミの住みかとなりご近隣の方にもご迷惑をかけている空き家を目にする状態です。

都心部の物件なら、荒廃した空き家でも再開発することで有効活用できるため、開発業者が競って購入していますが、最近では、首都圏でも郊外のニュータウンは少し離れてしまうと安く買いたたかれる状態で、空き家が目立つようになりました。

国が動き始めた

空き家、空地が社会問題となって時間は経ちましたが、やっと国も対策を講じ始めました。それが、間もなく(令和5年4月27日)施行される『相続土地国庫帰属制度』です。この制度に関しては別の記事で説明していますので、ご参照ください。

【相続土地国庫帰属制度】相続したくなかった、いらない土地を国に引き取ってもらう方法

境界確定測量の必要性

普通に売却するとしても、売却できずに国の制度を利用するにしても、できることは早く行い準備しておくほうが良いです。

相続土地国庫帰属制度を利用するには、更地にする必要がありますが、住んで生活しているのですから絶対に無理です。ですが、『境界が明確』と『隣接地との争いがない』、この二つは、境界確定測量を行うことで解決できます。普通に売却する場合でも境界確定は必要です。

境界確定測量は隣地土地所有者の協力が必ず必要なため、争いの有無がはっきりします。争いがあるうちは、通常の売却もできませんので、解決するための時間が必要になります。相続発生前の時間があるうちに、争いを解決して、境界も確定しましょう。

境界確定測量が時間のかかる作業です。相続前のお元気なうちに終わらせておいた方がよい大事な作業になります。確定測量についても別の記事で説明してあるので、こちらもご一読ください。

確定測量と現況測量

不動産の価値を下げている3大要因とその解決方法

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