50歳を超えても遅くない。資産運用のはじめ方

投資

私たちはお金の勉強をしないまま一生懸命に働いてきました。お金は現金が一番。税金を払って残ったお金は極力節約して、貯金することが美徳とされてきました。その結果、多くの人が老後に不安を持つようになってしまいました。 いつまで生きるかわからない時代に、お金については何の勉強もしないままです。投資は怖い、預けて持っていることが安心安全だと信じている人がどれだけいらっしゃることでしょう。 いまの時代、年金だけで生きていくことは出来ません。新しく知識を学んで、新しい行動を起こすのに遅過ぎることはありません。 お金を運用することの基本を書いてみました。お孫さんと一緒にでも分かるように書いてます。そのため、税金や維持費、手数料などの経費は考慮していません。初めは少しずつでも、一日も早くお金の運用方法に慣れて、お金の心配から解放されることを願っています。

お金の性質

現金のままでは減る一方

疎遠になっていた親族の訃報。相続で1000万円の現金が残ることになりました。年齢は50を超えたばかり、まだまだこれからの人生があります。

勤めてはいるもののこの先のことを考えると不安ばかりです。いまは毎月のお給料20万円で生活できています。月の出費は、家賃5万円、食費5万円、水道光熱費や携帯電話などで5万円、交際費など自由に使っているお金が5万円ほどで合計20万円。貯金はできないけれど、誰かに迷惑をかけることもなくそれなりに生活できています。いつまでもこのままの状態が続くのであればいいのですが…

転機は突然やってくる

取引先の倒産、転職などによる5万円の収入減、交通事故、病気の治療費で毎月5万円の出費。収支のバランスが崩れた瞬間です。いつだれに起こるか全く予想することもできません。毎月5万円を捻出しなくてはならなくなりました。

「1000万円のお金があって助かった!」

と思うのは問題の先送りでしかありません。というのも、現状を何も変えないままだとすると、1000万円から毎月5万円を使い続けることしかできません。毎月5万円減り続けます。1000万円÷5万円=200ヶ月分。

200ヶ月÷12ヶ月(1年)=16.666年=16年と8ヶ月

17年後、16年8ヶ月後には1000万円がなくなってしまいます。もし、55歳に転機がきたら72歳で1文無し、60歳のときでも77歳には1文無しになってしまいます。それに今の仕事と収入がなくならないとしてもです。そのあとも生きていかなければなりません。高齢になるほど、収入は少なく支出が多くなる方が一般的です。お金は現金のままでは確実に減り続け、いずれなくなります。

お金は変化できる

お金は現金のままでは使ってお終いです。銀行に預けていても同じです。否、もっと酷いかもしれません。例えば、2022年3月現在、大手行の普通預金の金利は、0.001%です。1000万円を1年間預けると100円の利息がもらえます。ですが、平日の営業時間外にATMからお金を引き出すと1回につき110円からの手数料が必要です。1年間何もしないで預け続けると100円くれますが、1回でも時間外やコンビニや他行のATMから引き出してしまうと、赤字になり1000万円が減ることになります。

不動産に換える

1000万円で不動産を購入することが出来ます。この不動産を月7万円で貸すことができたら、1年間で84万円(7万円×12ヶ月)の収入になります。5年間、現状維持のまま働き続けることが出来たとしたら、420万円(84万円×5年)の現金が増えることになります。

そして、5年後に不動産の価値が10%でも上がっていたら、売却すると1100万円になり、5年分の家賃収入と合わせると、1540万円に増えたことになります。

これは、現金を不動産に換えて運用し、売却して現金に戻した例えです。

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株に換える

1000万円で株を購入することもできます。購入した株をまとめると毎年配当金を含めて年間10%で運用できたとしたら、1年後に1100万円(1000万円×1.1)、2年後は1210万円(1100万円×1.1)、3年後は1331万円(1210万円×1.1)、4年後は1461.1万円(1331万円×1.1)、5年後は1610.51万円(1461.1万円×1.1)に増えることになります。

さらに、会社が飛躍的に成長するようなことが起きると株の価格も高騰するので、1610万円以上になることもあります。これは、現金を株に換えて運用した例えです。

その他

個人的には運用というよりはギャンブルに近いと思いますが、異なる国のお金の価値の差額を利用したFX取引や、破綻リスクもあるが高い利息を約束した新興国や途上国の国債を購入してみることも一種のチャレンジです。なかには競輪・競馬・パチンコやカジノでお金を使うことを博打ではなく投資だという人もいます。

宝くじも買わなければ当たることがない!

と公言してギャンブルを止めることが出来なくなり人生を終わらせてしまう例もありますので、リスク管理と学習も必要です。何もしなければ何も変わりません。

銀行という商売

他人のお金を低い利息で借り集め、高い利息で貸し付ける。その利息の差を利益とする商売。それが金貸しで、国が決めた利率の範囲内で商売すれば銀行と呼ばれる社会的評価の高い組織となり、法外の利息で商売すると闇金と呼ばれ社会的に忌み嫌われる組織となります。

銀行と闇金、どちらも他人のお金で商売をしている金貸しに変わりありません。

それでも銀行は必要

個人で出来ることは限られていても集団になれば何でもできるようになります。ひと一人では手漕ぎボート1艇を運ぶこともできませんが、何百何千人で協力すれば大型タンカー1隻を運ぶことも可能になります。

お金も同じで、数千万円の事業を個人的に行っている人は多数いらっしゃると思いますが、数千億円のプロジェクトとなると個人の予算で行うことは現実的に不可能かと思います。そして、大きなお金(利益)を作り出すためにも、大きなプロジェクトを実施する必要があります。

1年間に500万円必要な個人が仕事で500万円稼ぐためには、利益率が50%でも1案件当たりの平均金額が50万円だとすると、1年で20件の仕事をしなければなりません。500万円÷(50万円×50%)=20

1年間の給料が500万円の社員が4人いる会社の経営者が、経営者の報酬と経費を合わせて1000万円必要な企業は、年間3000万円の利益が必要になります。この企業の事業は、1案件の金額は3000万円で利益率は25%です。よって、1年間で4件の事業を行う必要があります。3000万円÷(3000万円×25%)=4

それでは、平均年収700万円、社員数1000人の会社の場合はどうでしょう。この会社のプロジェクトは1案件当たり3000億円程の規模になります。1案件が1年で終わることはなく平均7年程かかりますが、常時5件ほど稼働しています。利益率も5%程度。表面の数字だけ見ると儲かる仕事とは言えないかもしれません。ところが、実際の金額を計算すると驚きます。

  • 700万円×1000人=70億円が毎年必要
  • 3000億円×5%=150億円
  • 150億円×5件=750億円
  • 750億円÷7年=107億円
  • 107億円-70億円=37億円の粗利

まとまったお金の融資ができる組織

個人レベルでお金を考えると利益率が最重要になりますが、大会社の規模になると利益率も大事ですが、最悪でも赤字にならないように事業を進めることで、1案件で動く金額の大きさが重要になってきます。たとえ1%でも、5000万円と5000億円とでは生活が保障される(給料が支払われる)社員の人数に大きく影響してくることになります。大会社が売上高に拘る理由の一つがここにあります。金額の小さい仕事では会社を維持することが出来ないのです。

ここに銀行の存在価値があります。個人から大会社に至るまで規模に応じた事業資金が必要になるときがあります。自己資金だけでは事業拡大が出来ないときです。多少の利息を払ってでもまとまったお金が必要になったとき。融資をしてくれる銀行が必要になります。

銀行という金貸しの存在が無かったら企業の成長速度は著しく遅くなる!

お金に働いてもらう

銀行はお金のプロです。お金を使ってお金にお金を稼がす仕組みを作り上げました。やり方を真似て同じことをするのは簡単にはできませんが、考え方を真似することはできます。お金は自分の大事なパートナー。自分の体で稼ぐのと同じように、お金にも働いて稼いでもらう仕組みを作りましょう。

お金もじっとしていつまでも動かなかったらいずれ腐ってなくなってしまう性質があるということを忘れずに、元気に働けるように動きやすい形に変えて、大きく動いてもらいましょう。

資金が少ないうちは利益率が高くなるように、労力を惜しむことなくこまめに動いて、雪だるまが大きくなっていくように資金を大きく増やし、ある程度大きく育ってきたら、リスクを減らし安全に利益率は小さくなっても、利益が多くなるように量を増やして運用しましょう。

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