未登記建物を中間省略登記で取得した時に建物表題登記は必要か?

登記
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築古戸建を現状のまま安く購入して、リフォームしてバリューアップする不動産投資が流行っています。雨漏り、傾き、水回りのリフォームは修繕の中でもかなり高額になるところです。場合によっては、その不動産の購入価格よりも高くなることがあります。300万円で購入できた不動産のリフォーム費用が500万円でした。なんて話をよく耳にします。土地建物はキャッシュで購入したけど、リフォーム代金は融資を使いたい。その時、条件になるのは登記の有無。一般消費者同士の取引よりも不動産業者から新・中間省略登記を利用して購入する時には取得後のデメリットもよく理解したうえで契約するようにしてください。

手持ちの現金がなくなると、次の物件が購入できなくなる

築古戸建の不動産投資は、数で勝負する投資法です。建物1個当たりの家賃収入が少ないので、キャッシュフローをよくするために複数個の戸建を所有して賃貸する必要があります。そして、築古戸建は評価額が低く保証会社の審査基準を満たさないことが多く、購入時の融資が受けにくい。そのため、現金で購入することが多くなります。物件の買い増しのためにも手元に残す現金は少しでも多い方が好ましい。現金を減らさないためにもリフォーム費用は融資を利用したいところです。

融資を申し込む際に担保となる不動産(土地と建物)が実際にあり、登記されていることは当然大前提となります。建物が建っていても登記されていない未登記建物だったり、すでに解体済みで建物は取り壊されて無くなっているのに滅失登記をしないまま登記記録だけが残っている場合には、融資の申込すら受け付けてもらえません。

後者の滅失登記の申請漏れは、物件を紹介されたときに現地に行けばすぐにわかることなので購入することはないと思いますが、未登記建物は実際に建物が建っているので、法務局で調査しないと分からないかもしれません。

築古建物に多い未登記建物

融資を利用するためには、土地・建物ともに登記されていることが絶対条件になります。それなのに築古物件は未登記建物が多い傾向にあります。その原因は、昭和時代の地主は、現金で家を建てることが多かったため、建物の登記をしないことによる登記費用の節約と税金対策でした。別の原因としては、建物を登記されてしまうと借地権が登記によって担保されてしまうと考え、登記することを認めない地主が多かったということも考えられると思います。

それが時間の経過とともに、借地人が底地を購入する機会を得たときに建物の登記はされていると思い込んで確認することを怠り未登記のまま現在に至っていたり、借地権の更新や建替え・相続時の承諾料の合意が得られなかったために現在も未登記のまま建物が残っていたりすることもあります。

そして、建物が未登記のまま売買などで所有権の移転が行われてきた建物をリフォームしようとして、融資を申し込んだときに未登記が発覚することになります。実物があったとしても登記がないことには対抗力を得ることが出来ないので、金融機関にとっては登記があることが必須になります。

未登記建物の解消は余計な出費でしかない

建物建築時は登記に必要な書類を揃えることが容易にできるので、登記費用を抑えることが出来たと思います。それが数十年も経ってしまうと、書類の紛失や工務店の倒産や解散、設計事務所の廃業や、建築主の相続などが起き、登記に必要な書類作成、建物の増改築後の測量などと調査や作業量も増えてしまいその分費用に反映されて高額になってしまいます。そして担保設定のための登記は権利部に登記されるので、建物表題登記の他に所有権保存登記まで必要になります。

調査が複雑になり作業量が増える分、費用負担も増えることになってしまいます。

新・中間省略登記が一般投資家のリスクを高めた

未登記建物を解消するだけでも一般の投資家にとっては、重い費用負担になります。さらに、新しく中間省略登記が認められるようになったことで、不動産業者にとっては、大きく節税できるようになり転売事業の追い風になりました。そして、この新・中間省略登記の利用の仕方によっては、業者が売主の場合の一般消費者保護の責任を免除させる形態をとることもできるようになり、業者にとっては有利になりましたが、素人の一般消費者にしてみたら、ただ単に投資リスクが増えただけでしかありません。

私も不動産業界で30年以上、売買取引を行ってきましたが、一度も中間省略登記を行ったことはありません。経費削減・費用の圧縮を追求し過ぎると問題が起きたときには取り返しのつかないことになると知っているからです。宅建業法の基本は、素人である一般消費者の保護です。絶えずそのことを念頭において仕事をしてさえいれば、不動産ほど面白い仕事は他にないと思います。

中間省略登記は内容を理解している業者にとってはメリットだらけですが、買主となる素人にとってはデメリットしか思いつきません。自分だけは大丈夫だと思うことなく、中間省略登記をよく理解したうえで取引を行うようにしてください。

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