確定測量と現況測量

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建て替え、売却、相続対策など、目的によって実施した方が良い測量の種類も異なります。目的によって相談相手も変わってくると思います。測量は現況測量と確定測量の2つに大別できます。それぞれの目的と違いをご説明いたします。

目的によって異なる確定測量と現況測量とは

建物の建築に必要な現況測量

対象土地の地形と存在する境界標の位置、既存建物の形状やブロック塀などの工作物の位置、道路境界線やマンホール・電柱などの現状を測量して、再建築時のセットバック(道路後退)や建物の敷地となる有効宅地の面積を求めたり、登記記録や地積測量図との比較検討に必要な調査を行い、現況平面図を作成する測量です。

土地地積更正登記や土地分筆登記申請の前提となる境界確定測量とは異なり、隣接土地所有者や市区町村や都道府県・国との立会確認を行わないため、短時間で費用も比較的安価に行うことが出来ます。

目的

  1. 建築敷地の形状と面積の確認
  2. 幅員4mに満たない2項道路に接道しているときのセットバック(道路後退線)の確認

主に上記のような建築工事を予定しているときに行うことが多い測量がこの現況測量です。所有する不動産の財産価値を確認するため、登記記録との面積の違いを知るためにも行うことがあります。

現況測量図が必要になる職種

  • 建物を設計する設計事務所・工務店・ハウスメーカー
  • 建物を建築する工務店・ハウスメーカー・建設会社

実際に建築工事を行うときには、現地の建築敷地境界を示す仮杭(目印)が必要になります。

売却や担保設定時に必要な確定測量

不動産の情報を確認するときには登記所(法務局)で維持・管理されている登記簿の記録内容から物理的状況や所有者・担保権者などを調査します。登記簿に記録されている土地の面積を公簿面積、境界確定測量で得られた面積を実測面積と呼びます。財産評価や税金の課税徴収はこの登記簿の記録をもとに行っているため、市区町村や都道府県などの行政にとっては登記簿上の公簿面積と実測面積が一致していることが望ましい。

しかしながら、公簿面積と実測面積が一致することは、ほとんどありません。

登記所で維持管理されている登記簿は不動産登記法が基になっています。不動産登記法では、土地の境界(線)を筆界(線)と呼び、一筆書きで括られた土地1個1個を「土地一筆」と呼び「2筆、3筆、、、5筆の土地」と数えていきます。

境界確定測量は1筆の土地ごとに、その対象土地の全ての隣接土地所有者や道路・水路などの管理者と現地で立会のもと筆界(境界)を確認して、境界標が亡失している場合は復元し埋設して確定する作業を行います。そして、立会確認した筆界については、境界点図などを作成し筆界確認書を双方署名捺印のうえ取り交したりします。

このように測量し確定した土地の面積が実測面積であり、登記簿に記載されている公簿面積を実測面積にする登記を地積更正登記と呼ぶ。地積更正登記を申請するためには、全ての筆界(境界)が確定している必要があります。土地を分筆するときにも、全ての筆界(境界)が確定していることが前提となるため境界確定測量が必要になります。

現況測量は作業なので完了までの時間を予測できます。他方、確定測量は対象地に隣接している土地所有者の同意が必要になりますので、人数や関係性によって時間も費用も多分に要することがあります。 余裕をもって計画的に実施するようにしてください。

目的

  1. 正確な評価・担保価値をするための実測面積の確認
  2. 公平な取引をするための実測面積の確認
  3. 不動産の流動性を高めるための境界標の復元
  4. 公簿面積と実測面積を一致させる地積更正登記や分筆登記を申請するため

売買や相続などの権利移転のときに正確な評価額で取引を行いたいときや、実測面積が判明し、かつ、境界標が埋設されることで流動性が高まり、不動産の担保価値を高めるために確定測量を行います。

また、何が起こるか予測できない将来のために、隣接土地所有者との立会確認の時間確保のために、有事のときの保険の意味で境界確定測量・地積更正登記を行う地主さんもいます。

境界確定測量・地積更正登記を勧める職種

  • 不動産売却時の不動産仲介会社
  • 相続対策を相談しているときの税理士・司法書士・弁護士・土地家屋調査士・不動産業者

急いで足元を見られて不本意な結果にならないようにするためにも、時間とお金に余裕があるうちにやっておいたほうが良いと勧められることが多い。

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