都市計画法と建築基準法

境界確定・測量
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「市街化調整区域内だから建物は建てられません!」って言われたんですが、どういうことですか? 

市街化調整区域内では自由に建物が建築できません

勤務先の病院を辞めて開業するために土地を買いました。建設会社の人と現地を一緒に見に行ったときも何も言われませんでした。 これからどうしたらいいのですか???  

  • 冗談みたいな話ですが、いまだにこのような相談を受けることがあります。
  • 不動産会社を介さないで、売主と直接取引をした
  • 目的も言わずに安くて広い土地を紹介してもらった
  • 仲介手数をを払いたくなかったから自分で探して購入した。とか

開業することを秘密にしておきたかったから不動産屋さんにも利用目的を話さずに情報だけ提供してもらった。

こんな些細なことが原因であったりします。

目的も聞かないで物件だけを紹介して、重要事項の説明すらしないで仲介手数料を請求する不動産会社があるとは思いたくありませんが。。。仲介手数料を節約したい気持ちは理解できないこともありません。

どうしても仲介手数料を払いたくないのであれば、ご自身で物件探しをすると同時に、不動産に関する法律の勉強もしてほしいと思います。土地を利用するにはさまざまな法律や規制の制限に従う必要があります。

誰もいない山奥の水道や電気、道路すらない土地の価格と、電車の駅もあり、電気・ガス・水道などのインフラの整備された土地の価格が異なることは理解できると思います。もし街なかで格安の物件があったとしたらどう思いますか?

きちんと理由があります。その理由に納得されて購入されたのであれば後悔もしないはずです。『騙された』というような失敗を避けるために、不動産取引で重要な二つの代表的な法律とその概要は知っておいてください。   

都市計画法と建築基準法

 この二つの法律の概要を自分自身で調べることができるようになりましょう。 

都市計画法

土地を上から大きく全体的に見て、それを大きな区域に分けて、その分けられた区域ごとに、さらに小さく線引きして細分化していき、その小さいブロック単位や幾つかのまとまった区域ごとに、利用する目的や制限が決められています。日本を一つの地域として、ブロックごとに線引きして、エリアごとに計画された街つくりをしようとする法律です。   

市街化区域と市街化調整区域

 大きな線引きは、都市計画区域と都市計画区域外に分けられます。そして、この都市計画区域内のうち、市街化区域と市街化調整区域で線引きされた単位の区域からが重要になります。

  • ニュータウンのような住宅地の開発や、建物を自由に建築することができる区域は、市街化区域内です。
  • 市街化区域と市街化調整区域は隣接しています。
  • 対象土地が市街化調整区域内にある場合には、原則、建物を建築することはできません。

市街化区域の近くで、安くて広い土地があったとしても、市街化調整区域内の土地だと建築制限がありますので役所で確認してから購入するようにしてください。市街化区域内の土地は、さらに細かく住居系・商業系・工業系の13の用途地域に線引きされています。   

用途地域

都市計画で定められた利用目的ごとの建物が建築できる線引きして区分けされた地域

住居系

  • ① 第1種低層住居専用地域
  • ② 第2種低層住居専用地域
  • ③ 第1種中高層住居専用地域
  • ④ 第2種中高層住居専用地域
  • ⑤ 第1種住居地域
  • ⑥ 第2種住居地域
  • ⑦ 準住居地域
  • ⑧ 田園住居地域

商業系

  • ⑨ 近隣商業地域
  • ⑩ 商業地域

工業系

  • ⑪ 準工業地域
  • ⑫ 工業地域
  • ⑬ 工業専用地域  

建築基準法

建物を建築する場合の敷地、構造、設備と用途に関する最低の基準を定めた法律です。

安全面からの緊急時の車両などの動線確保のための道路の幅員と、建築基準法で道路と認められた道路部分と建物の敷地となる土地が接道している長さ(幅)の最低基準も定めています。

建築基準法上の道路とは、原則、幅4m以上の障害物のない空地です。建物を建てるためには、この道路に接している土地の1辺の間口が2m以上の長さがあることが必要です。

そして、上記の都市計画法の用途地域ごとに定められている建物の用途制限に加え、構造や高さ、配置などの規制を定めています。

建築基準法の道路の種類

  • ① 建築基準法第42条第1項1号から5号の道路
  • ② 建築基準法第42条第2項道路
  • ③ 建築基準法第43条第2項第2号の許可(但し書き道路・空地)   

絶対に確認しなければならない二つの重要事項

  • 市街化区域の目的建築物を立てることができる用途地域内の土地であること
  • 建築基準法で道路と認められた道路に対象不動産(土地)が2m以上接していること

この2点は、必ず確認してください。

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